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付加価値志向の経理マンが目指すべき、FP&Aとは?

FP&Aは付加価値志向の経理マンのキャリアの選択肢

現在経理職で働いている方の中には、より経営に近い立場での仕事をしたい、と考えている人も多い。その人が考える有力なキャリアの一つは、FP&A(Financial Plannning & Analysis)に転向することだと思う。FP&Aは、日本企業においては直訳できる職種がないけど、「会計系の経営企画」みたいな感じの仕事だ。

経理という仕事は売上・原価・費用をはじめ、経営にとって極めて重要な数字に日々接していながら、その知見を経営陣にシェアできる立場にはいないケースが多い。

もちろんCFOや部長クラスになってくれば話は別だが、上位管理職になるまではどうしても業務に占めるBean Counter的な仕事の割合が多くなる。自分の意志や意見を差しはさむ余地の少ない、誰がやっても結果は変わらないような業務。もちろんそれも会社には必要な仕事だ。でも、優秀な経理であれば、「より自分なりの付加価値をつけられる仕事ができないか」と常に考えているはずだ。そんな人には、FP&Aへの転向は魅力的な選択肢に映るだろう。

FP&Aとはいったい何をする仕事なのか

それでは、FP&Aとはどんな仕事なのか?

具体的にいえば、予算編成・予実分析などが業務の中心に挙げられることが多い。自分の会社の来年の売上はどれくらいになるのか?原価は?販管費は?と、PLに基づいて具体的な数値予想(しばしば目標でもある)に落とし込むのが予算編成、実績をトラックし、予算とどれだけ・どうして乖離しているのかを分析するのが予実分析だ。

そのほか、経営層から経営的判断のための資料作りを依頼されることも多い。前の会社のFP&AマネージャーはFP&Aの仕事を「経営者層の(ちょっと高度な)雑用」と評していたけど、言いえて妙かもしれない。

特徴をあげれば、FP&Aの仕事は未来志向であるということ。経営者が未来を見通すための判断材料の提供だ。経理が専門とする「財務会計」は、投資家や銀行など外部の人間をメインターゲットにしている。そこでは極力主観を排し、過去から現在への客観的なデータを求められている、いうなれば過去志向のものだ。一方でFP&Aの仕事は、いわゆる「管理会計」を専門とし、経営層など内部の人間がターゲットだ。そこでは過去のデータをもとに、数年先の未来をできる限りの正確さで見通すための資料が求められている。

未来を正確に予想する、なんてことは誰にもできない。当然、そこには多くの仮定や推測が混じり、主観的な部分は排除できないことになる。その過程や推測に「正解」はない。言い換えれば、担当者にはある程度の裁量が許される(もちろん、それが合理的であるなら、だけど)。

そこに付加価値志向の経理マンが活躍する余地がある。管理会計は財務会計で作成された、ファクトベースのPL/BSなどを読み取れることが必要不可欠であり、会計的バックグラウンドを要求される仕事だ。キャリア上のつながりは極めて強い。経理で一定以上の経験を積んでからFP&Aに転向すると、スムーズに業務に慣れることができると思う。今までの経験を活かしながら、「自分らしい仕事をした」と感じられる機会は増えるはずだ。

FP&Aの年収は魅力的なのか?

FP&Aはどの程度の報酬がもらえるものなのか?結論から言ってしまうと、傾向としては同じランクのポジションならFP&Aが経理より高い水準になる。こちらで外資系転職エージェントのMichael Pageが作成した年収目安表がみられるが、スタート地点からFP&Aよりも経理のほうが50万から100万ほど高いのが確認できる。最終的にマネージャークラスになればその差は最大200万ほどにもなる。この差はFP&Aが経営に与えられる付加価値の差、と考えることもできる。

個人的な経験に基づくと、都内でFP&Aの仕事を探した場合、下限は年収400万円くらいからになると思う。役職なしのスタッフでも、場合によっては年収800万くらいまではちらほら求人を見かける。非管理職でこの水準であれば、全職業的に見ても比較的高いほうに位置するのではないだろうか。

FP&Aに向いている人とはこんな人

Bean Counterであることを良しとしない、付加価値志向の経理マンにはFP&Aがという話をしてきたが、具体的にどのような要素がFP&Aで重宝するのか、以下に挙げる。

論理的思考ができる人

先に述べたとおり、FP&Aは未来志向の業務のため、「予測」とは切っても切り離せない。未来を正確に予測することは誰にもできないが、それでも現実に近い予測をはじき出せなければ、プロフェッショナルとは言えない。

その際に必要となるのが、論理的思考である。例えば来年の商品の返品額を求めるとする。その際、何をもとに予想するのか?に確たる正解はない。過去の実績返品率をそのまま使うのか?今年は商品の不良率が昨年より高いと考えられていて、昨年の実績はそのまま使えないなら、どうするのか?自分なりの回答を導き出し、経営陣を納得させるのに論理的思考は必要不可欠である。

きき上手な人

経理の向き不向きについての記事でもお話したが、事務職だからといってコミュニケーション能力が不要なわけでは全くない

経理の向き不向き、経理に向いていない人編
経理に向いていないのはこんな人 前回の記事では、「経理に向いている人」の資質を取り上げてみました。 ・細かいところに気が...

FP&Aは経理以上にコミュニケーション能力が必要だといえる。予算編成などで業績の予測をする際、ビジネスの中身、現場の状況をしっかり理解していない限り、合理的な予測に必要な要素を把握することができないからである。

現場の状況を把握するのは、机上の事務職であるFP&Aには簡単なことではない。自分たちだけの力ではなく、各部門から情報を集める必要がある。営業や店舗、ロジスティクス、PRなど、各部門から集めた情報をいかに理解し、自分の中に落とし込むかは、FP&Aの「きく」力に負うところが大きい。ここでいう「きく」は、話を「聞く」という意味と、「適切な質問する」の「訊く」の意味でもある。

経理からFP&Aに転向するには?

仮にFP&Aに興味を持ち、その仕事をしてみたいと考えたとして、どうすればFP&Aのポジションを得ることができるのか?FP&Aは人気のある職種であり、面接に挑む際には少々注意をしなければならない。対策については下記の記事で書いたつもりなので、未経験→経理→FP&Aのキャリアチェンジの一例として参考にしていただけたら幸いだ。

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