経理職への就職・転職、就職活動など。USCPA受験記録も。

外資系会計職のポジション・年収<中堅〜ベテラン>

経験年数約10年以上のベテランはいくら稼げるのか

当然の話ではあるのだが、仕事を決めるときに「初任給や初年度年収でいくらもらえるか」だけを気にしても不十分である。「30歳時点でいくらくらいもらえるのか?40歳時点では?定年退職前では?」という視点も非常に重要だ。いわゆる「昇給カーブ」の話である。

前回の記事では、外資系会計キャリアのアーリーステージであるスタッフレベルやシニアレベルについて取り上げた。今回ではミドルステージからキャリアの終着点について取り上げる。
この二つの記事を読んでもらえれば、外資系企業の会計職という仕事に就きキャリアを積んでいった場合、どれくらいの年収がもらえるのか、ということがおおまかに理解できるかと思う。

今回の記事でも、データには外資系転職エージェントであるMichael Pageさんの経理・財務キャリアパスを使用させていただくので、ぜひそちらもご覧いただきたい。

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一つの壁、マネージャーポジション

さて、シニアレベルのポジションを無事卒業することができれば、次はマネージャーポジションとなる。マネージャーとなると、これまでとは違いプレイヤーとしての性質から読んで字のごとくの「チームマネージメント」がメインの仕事になってくるわけで、いわゆる管理職に該当する。

僕の知る範囲では、一口にマネージャーといってもクラスは二つに分かれる。一つめにはいわゆるプレイングマネージャーとして、管理業務以外にも一定以上の活躍を求められる「マネージャー」。もう一つにはむしろプレイヤーとしての機能を制限されていく「シニアマネージャー」のクラスだ。たとえば、経理系業務で言えば、シニアマネージャーは一切仕訳を切れなくなる、というような制限がかかったりする。

だいたい経験年数がどれくらいでマネージャーになれるかだが、概ね経験年数10年程度から、といったことになるだろうか。とはいえ、マネージャー以上のポジションになるための年数はある理由によりかなり個人差が大きいため、あまり目安に意味はない。早ければ30代でなれるだろが、場合によってはシニアのポジションでキャリアを終える人もいる。

マネージャーポジションに昇進するための壁とは

近年は日系企業でも管理職のポストが空かず昇進が難しいというのはよく聞く話になったが、外資系においては管理職昇進はかなり高い壁である。というのは、外資系企業は内部での昇進が少ない傾向にあるから。
たとえばマネージャー職の人が辞めることになったとしよう。日系企業であれば、大抵課長補佐だとか課長代理だとか、マネージャーに準じたポジションの人をマネージャーに昇進させることが多いはずだ。
しかし外資系はそうではない。マネージャーが辞めたなら、マネージャーの能力のある人を外部から取ってくることが多い。もちろん昇進のケースが皆無というわけではないが、日系より可能性は低いだろう。
さらに、多くの外資系企業はそれほど大人数で会社を運営していないし、ジョブローテーションもない。管理職のポジションを無限に増やすわけにもいかないから、マネージャー職の人が転職しない限り純粋にポジションが空きにくいというのもわかりやすい理由である。

では外資系企業においてマネージャーポジションになるためにはどうすればいいのか。
多くの人は転職に答えを見出す。他社で空いたマネージャーのポジションに潜り込むのだ。当然言うは易しで問題はそう簡単ではない。マネージャー職の採用は当然マネージャーとしての能力を持った人が対象になるため、「管理職経験のある人」を要件としてあげてくる。管理職になるための管理職経験がないという状況だ。その場合、シニアとして一部でもチームマネージメントの経験があればチャンスはあるだろうが、そうでもないと厳しい戦いを強いられるようだ。

気になる年収は

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そんな高い壁を乗り越えてマネージャーのポジションにつけば、一般的な感覚でいう「高収入」が手に入る。

アカウンティング・マネージャー:中小企業800万-1000万 大企業1000万-1200万
FP&Aマネージャー:中小企業900万-1100万 大企業1000万-1400万
ファイナンス・コントローラー/ファイナンス・マネージャー:中小企業1000万-1400万 大企業1200万-1600万

「コントローラー」という単語が出てきたが、このポジションは極めて日本語に訳しづらい。しかも会社によって意味するところがだいぶ違うようだ。僕の知る会社では「管理会計系のマネージャー」として扱っていたが、「経理マネージャー」の意味で使う会社もあるらしい。経理・財務キャリアパスでは、経理・財務・管理会計分野に加えてプロジェクト開発も職務に入っている。

見ての通り、このクラスになると、1000万は全然夢ではない。もちろん先に述べたような壁を乗り越える必要があるが、早ければ30代で1000万円の世界だろう。僕の知る範囲では、プレイングマネージャーで800万-900万、シニアマネージャーで1000万-1400万くらいもらっている感覚だ。
当然、このクラスになると要求スキルも段違いに高くなってくる。会計士や税理士などのプロフェッショナルや、海外本社の上のポジションの人間の指示に従うだけではなく、場合によっては議論して自分の意見を認めさせなければならない。専門的な知識はもちろん、英語などの言語能力も高いレベルになければ務まらない。

キャリアの終着点、CFOのポジション

幾多のハードルを越えて就いたマネージャーのポジションで経験を積み、高い業績を挙げた先に開かれるのが、ファイナンス・ディレクター/CFOのポジションである。ここまでくると単なる管理職を越えて役員としての扱いになる。一部の例外を除き、15年から20年以上の経験を積んだ人に開かれる世界である。

正直なところ、このクラスのポジションは僕の現在のポジションからもかけ離れていて、自分の感覚から職務内容などについて詳しく語ることはできないが、外資系企業に在籍しているからこそわかる範囲の実情を記載する。

日系企業の経理・財務系役員の社内における力関係はよく知らないのだが、外資系企業においてのCFOというポジションは極めて高い地位にある傾向だ。多くの企業でCFOはCEOの右腕として扱われ、時にはCEOにストップをかけることすら期待される役割である。
(名のあるCFOが企業においてどのような役割を果たしたかは世界のビジネスを変えた 最強の経営参謀に詳しい。CFOを目指す人は必読)

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気になる年収は

CFOの年収は、経理・財務キャリアパスによれば

ファイナンス・ディレクター/CFO:中小企業1300万+ 大企業1500万+

となっているが、これは正直下限クラスではないかと思う。私の知っている(かなり高い情報精度の)CFOは4000万くらいはもらっているし、プレジデントオンラインのこちらの記事においては「2500万-5000万」となっている。下限2500万はさすがにあり得ないが、年収数千万はよくある話と考えて良さそうだ。
名の知れた大手日系企業の役員も同じくらいの水準にあると思うが、そのクラスの大企業において役員まで出世するのは並大抵の話ではない(ちなみに官の世界では、トップの総理大臣や日銀総裁でさえ年収3000万-4000万程度とされている)。一概に比較することはできないが、コストパフォーマンスを考えると、外資系企業のCFOというのは比較的なれる可能性と報酬が高い水準にあるように考えている。

まとめ

二回にわたって外資系会計職のポジションと年収について取り上げた。年収に関しては、率直に言って日系企業の同業他社より高い水準にあると考えていいと思う。もちろん福利厚生や日本撤退のリスクなど、日系企業にはないデメリットもあるのは確かだが、外資系企業で会計職のキャリアを目指す方の一助になれば幸いである。

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