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どうして僕は公務員志望をやめ民間転職をすることにしたのか

民間勤務で公務員を志望する人へ

普通に就職活動をした結果、内定をもらって無事に就職することができたものの、入社した会社に不満が募り、公務員への転職を考える人は少なくない。会社に抱く不満は人それぞれだけど、たとえば労働時間が非常に長く自分の時間が十分に確保できない、もらえる年収が少なく今後の昇給もあまり見込めない、ノルマが厳しく上司からのストレスで気が狂いそう…今の仕事でそんな状況に悩んでいる人には、公務員という選択肢が魅力的に思えるのもよくわかる。

何を隠そう、僕自身もその一人だったからだ。
3年以上前の話になるが、僕は新卒としての就職活動に失敗。なんとか内定をもらって就職はできたものの、ほとんど名前を知っている人はいない中小企業。数年上の先輩に見せてもらった夢のない給与明細と向かない営業の仕事に悩まされ、どうすればこの状況を変えられるかということばかり考えていた時期があった。

結果として僕は、公務員ならあまり専門性のない既卒でも試験さえ受かればそれほど不利にならずに就職できる可能性があり、給料も悪くなく、仕事としての聞こえもよいという安易な理由で、「公務員になろう」と思い立った。その頃から会計をバックグラウンドに仕事をしようと思っていたので、国税専門官という税務にかかわる専門職を受けることに決め、仕事は続けながら必要科目の参考書をそろえて勉強もして、過去問も解いた。その時点で合格点には少々届かなかったが、仕事をしながらでも十分取れる点数だと感じた(僕は英語ができ、先に簿記二級も取得していたので、英語二科目+会計学のある国税専門官の試験は比較的キャッチアップが早かった)。

しかし、結果として半年もしないうちに僕は外資系企業への転職を決めることになる。試験の難易度が問題ではなく、「本当に自分は公務員になりたいのか」を改めて考えたときに、次のようなことに気づいたからだった。
(以下は公務員の仕事を否定するつもりはない。これから述べることは僕にとってはマイナスだけど、逆の視点から見ればプラスでもある。単純に僕には合わない、という以上の意味はない)

中途公務員の給料で満足して良いのか?

公務員の給料は決して悪くはない。たとえば僕が目指していた国税専門官は、初任給時点で約23万。それに加えて27,000の住宅手当がつく。ボーナスも約4ヶ月ほどでるので、それだけで年収は400万近い。初任給時点では、下手な大企業よりも高いだろう。公務員なので、昇給もしっかりある。犯罪でもしない限りは首にならない安定性も魅力だ。

しかし、その一方で問題もある。未だに年功序列、横並び感の強い昔ながらの日本型組織の影響が強い公務員では、昇給はかなりガチガチに決まっていて、個人の成績が影響を及ぼす範囲は少ない。「できてもできなくてもたいして結果に反映されない」のが公務員だ。
とはいえそれはまだ良いだろう。自分が「たいしてできない側」の人間でも、それほど大きな差をつけられないというメリットがある。でも、同年齢の同僚の中では給料が低いことが確定しているとしたらどうだろうか。

既卒で公務員になった場合、それまでの職歴に応じてある程度の昇給がなされた状態で一年目となる。つまり、学卒1年目より少し高い状態でスタートできることを意味する(アルバイトや、勉学専念の場合は変わらないので注意)。同期よりは高い給料で仕事ができるのは結構なことだ。
しかし、その昇給率は普通に公務員として仕事をしていた場合の昇給率より当然低くなる。仕事にもよるが、認められるのは通常の半分くらいの昇給率だろう。となると、たとえば社会人4年目26歳で公務員に就職した場合、同い年の4年目公務員には2年分の遅れをつけられているということだ。そしてその差は公務員組織において埋めることが容易ではない。中途で入ったとなれば、同い年の同僚の中では稼げていないことが確定してしまうのだ。これは僕の性格上、ずっと劣等感に苛まれ、仕事へのやる気を失わされる結果になると考えられた。

給与明細

 

また、公務員に限った話ではないが、昇給が成績によってあまり変動することなくほぼ決まっている、というのも魅力的ではなかった。公務員の昇給はほぼ俸給表に従い行われる。標準的な勤務成績(たいていの人がここになる)なら年に4号俸昇給する。4号俸がいくらかは職種や階級によって違うのでなんともいえないのだが、1000~10000円、だいたい5000円くらいといったところ。ほかにも、民間企業でいう昇進に近い「昇級」も存在するが、複雑なので割愛。

昇給額がほぼこれで決まっているのは、どうも働いていく上で夢がないような気がした。日系大企業で、ほぼ年間の昇級額が決まっているところも同様だ(大学職員なんかもこれに近い)。ちなみに今の会社では、年間昇給率10%以上をキープしている。この辺に関しては、うまくいったといえる。

公務員の将来性は高いのか

公務員といえば「安定している」というイメージ。確かに、給料は安定して上がっていくし、現状よほどの職務怠慢か犯罪でも犯さない限りは解雇の可能性はない、倒産の可能性もない。女性が結婚相手に求める職業No.1なのも頷ける。

しかし、僕は「公務員の給与は、民間に準じて決定される」という民間準拠方式は危険なように思えた。サラリーマンの平均給与は、直近で最も高かった平成9年の467万から僕が就職した21年には406万までなんと約15%も下落していた。そして日本という国の人口構成や財政状態を考えたときに、今後多少の波はあっても基本的に年収は下落傾向に向かうだろうと判断した。
ここでいう「民間」はあくまで星の数ほどある会社の中での平均にすぎないため、良い会社はもっと良いし、悪い会社はもっと悪いと、幅は果てしなく広いだろう。しかし公務員は、組織の横並び性を考えると、良くも悪くも「平均」、そこから抜け出すのは容易ではないと考えた。それは見方によってはメリットであるが、僕にとっては面白くないように思えたのだ。

「いざとなったらやめられる」がもたらす心の余裕

新卒で入社した会社は僕には合わず、「いつどうやって抜け出そうか」ということばかり考えていたが、「いざとなったらやめられる」という考えは、心に余裕と希望をもたらすものだなと感じていた。もちろんただ漫然とやめるだけでは厳しい結果になるだろうが、正しい目標設定と自己研鑽を怠らなければ、環境を良い方向に変えられる可能性は大いにある。冴えない社員も、環境さえ変えられれば輝く例はある。

青空に向かって大きくジャンプするスーツの男性

 

公務員は解雇されない代わりに、もし仕事をやめるとなると極めて厳しい現実が待っている。公務員は一般に「お役所仕事」と言われ、競争のない環境で仕事をしているようにおもわれがち(実際はそうでない面もあるが)なので、中途採用市場における評価はかなり低くなってしまう。もちろん官僚や専門職はその限りではないのだが、官僚の友人が言うには「官僚でも普通の人は転職厳しいと思う」とのこと。少なくとも、一般的に言えばそうだ。

仕事をやめる要因は解雇だけではない。むしろ民間だって、自発的にやめたくなる可能性のほうが高いだろう。公務員なら仕事が面白いとは限らないし、残業が少ないとも限らないし、いい人ばかりとも限らない。そんなときに、「環境を変える」という、ある意味逃げの選択肢を持てないことは、非常に怖いことのように感じられた。

まとめ

書いていて改めて、僕は「将来が見えてしまう・確定してしまう」という状況が好きでないのだ、と感じた。年次昇給のときに、昇給率0%かもしれない、でももしかしたら20%かもしれない、どっちか全然予想もつかない、くらいのほうで構わない。安定した昇進レールに乗っていることを安心する人もいるだろう。そういう人には公務員はお勧めかもしれない。でも、僕と同じように感じる人は、是非外資の世界に入ることをオススメする。

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